エントランスの浸水事故

Q.
2006年3月竣工のマンションで、2007年7月(降雨量≒15㎜/分)、2008年8月(降雨量≒19㎜/分)に、2年連続して、1階エントランスホ-ル・ロビ-に集中的な浸水事故が発生しました。
両年共に、1階ロビ-外部テラスの雨水会所から、雨水が吹き上げるように溢れだし、瞬く間に出入り口サッシ下からホ-ル・ロビ-内に流入して、多大な浸水事故となりました。

 事業主・工事施工業者と発生原因及び対策について協議しましたが、『この浸水事故は、想定外の大降雨による下水道からの下水が逆流したもので、事業主・施工業者には責任は無い』との回答でした。
 管轄の市当局では、『この地区の下水道は整備されており、少々の雨による下水の逆流や浸水は発生しない。』『事業主や施工業者から下水道管が原因で下水が逆流したのではないかと問い合わせがあったが、逆流しないと回答した。』とのお話でした。

 その後も、度々事業主と解決について協議していますが、『設計・施工に瑕疵はなく、自然災害である。』との見解を示され埒が開きません。
原因は、そもそもどういうことが考えられるのでしょうか。

A.
浸水事故の場合、「状況の把握と原因の究明」が重要です。

① 浸水範囲、浸水経路の確認
② 雨水排水設計の検証(雨水排水流域の下水管渠流量計算の検証)
③ 雨水排水設計図と竣工図面の検証(竣工図が不備な場合が多い)
④ 現場での雨水排水系統毎の検証(管径、管底、管勾配、排水管距離等の確認)等々について様々な角度から検証しなければなりません。これらの作業は専門家でなくては不可能です。

上記①~④を踏まえて、次のような作業に移ります。
⑤ 改修方法の策定(改修設計、改修金額、改修期間等の立案)
⑥ 改修金額の持ち分(配分:瑕疵担保期間との絡み)

そこで、管理会社や事業主・施工業者との接触から始めることになりますが、管理会社が、日頃様々な事象について良好な相談相手になってくれているのであれば、信頼して調査を委ねられてもいいでしょう。
しかし、技術力が不足していたり慣れていない場合には、事業主や施工業者との交渉に期待した程の効果が得られず、満足な解決に至らなかったケ-スも良く耳にします。

技術的なことは、第三者の専門家である「建築士」や「設備専門家」に相談を持ちかけることをお奨めします。

また、損害賠償請求に発展するような事象である場合は、「弁護士」に介在して貰うことも検討して下さい。
事象により、解決に時間が掛かることがあります。根気よく対応してください。

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