MDT耐震化記録:耐震改修は できるとは限らない

とても理不尽だとは思うが、耐震改修は「できるとは限らない」。

耐震改修できないマンションは、少なくは無い。

たとえば都心で敷地いっぱいに建つマンションの場合、外皮に補強できるだけの空地が無ければ、内部で補強するしかないが、果たして「住みながら」工事が可能かと考えると、大概はNGにしかならない。郊外地で、一定の空地があっても、工事中EVや階段や廊下が利用できなければ一時転居は避けられない。これらの費用は当然に、補強改修設計費や工事費とは別枠で用意しなければならず、実現可能性は極めて低くなってしまう。

バブル期の計画だと極端に無駄を排除している例が多い。同時にゆとりも排除しているわけで、そぉすると、構造計算では補強できても「レアリティが無い」ということにもなりかねない。建築関連法令を熟知した設計者が、ギリギリのトコロを狙って計画すれば、新築工事費は極めて合理的に節約出来、それが販売価格にも反映されて、購入者にとってはラッキーだった訳だが、数十年後にオツリが来る。

まことに切ない話だが、これが実態である。

補強可能かどぉかの判断は、経験豊かな構造専門家と経験豊かな意匠家が協働しなければ導けるものではない。

行政の補助を恃みに、安易に行なった改修補強計画は、まさしく絵に描いた餅以外の何物でもない。

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